COLUMN

0
まずは道路距離と地形をチェック!</br>固定資産税の節約するための路線価の見極め方

国土交通省が発表した2016年2月の不動産取引件数は、前年同月比で14.4%の増加と、盛況な不動産業界。新規の物件購入を検討されている方もいらっしゃると思いますが、実際に不動産を購入すると、必ず支払わなければならないものが「税金」です。

そのなかでも、毎年の多額な固定資産税の支払いにお悩みの方は多いのではないでしょうか。

今回は「節約したい!」と思っているものの、難しい仕組みがわからず、対策出来ていない方のために、固定資産税の決める「路線価」の観点から、納税額を減らすための方法をご紹介します。

不動産の固定資産税を調べるには?

rosenka2

固定資産税は、

・宅地:
課税標準(固定資産税台帳価格)×軽減特例(200㎡までは6分の1)×固定資産税率(1.4%)

・家屋:
課税標準(再建築した場合の費用)×固定資産税率(1.4%)

という計算によって算出されます。

この「課税標準」は実際の不動産取引価格ではなく、建物は再建築費用、宅地の場合には「固定資産取引台帳に記載されている価格」によって定められます。

「課税標準」は、取引価格の70%程度であるケースが一般的ですが、「もっと正確な納税額が知りたい」という方は、宅地の固定資産税課税になる「固定資産台帳価格」や、この判断基準に使われている「路線価」について調べる必要があります。

節税のカギを握る「路線価」とは?

rosenka3

「路線価」とは、全国の国税局や税務署によって決められる道路の1㎡あたりの価格のことです。

主に相続税や固定資産税を計算する際に用いられる指標で、道路からの距離や地形による価格補正を経て、決定されます。

実際の路線価は、国税庁のホームページ(http://www.rosenka.nta.go.jp)のほか、税務署や会計事務所などで見ることができるため、投資物件を実際に購入する状況になった際には、確認することをオススメします。

運用コストを抑えるための「路線価」の見方は?

rosenka4

新規の不動産を購入する際に、「少しでも投資の運用コストを抑えたい」、「収益率の高い物件を購入したい」などとお考えの方に向けて、固定資産税の課税対象となる「路線価」の観点から、固定資産税の支払額が減らせる投資用不動産の選び方をご紹介します。

奥行価格補正率を利用した節約

路線価は道路の価格を示したものですが、すべての宅地に、道路価格がそのまま反映されるとは限りません。

宅地の路線価には、道路の価格に「奥行価格補正率」という数値を掛けて、価値が決められます。

「奥行価格補正率」とは、宅地の道路からの距離や地形に応じて定められる価値補正のことを指します。

補正率は「0.9〜1」の範囲内であることが多く、「路線価×奥行価格補正率」という計算により、土地ごとの課税標準額は決められます。

奥行価格補正率を下げるための方法

・道路から距離がある宅地
・道路に1ヶ所だけ面している宅地
・接道面積があまり広くない
・購入エリアの地形を調べる
・商業地よりも一般的な住宅地
・繁華街は避ける

一般的に、上記のような宅地は、奥行価格補正率の割合が低く、固定資産税の課税対象額を減らすことができます。

もし、新規の物件探しを始められる際には、奥行価格補正率が低いエリアにある物件を探すのもひとつの手です。

郊外の高利回り物件を利用した節約

rosenka5

高値安定傾向が続く都心部の不動産。価格高騰や競争激化により、物件を手に入れられない方も多くいらっしゃると思います。

仮に、「小額予算で不動産投資をしたい」、「毎年の支出費用を減らしたい」と考えられているようでしたら、郊外や地価上昇エリアの地方都市の物件を堅牢されてみてはいかがでしょう。

下の表は、2016年の地価公示価格を示したものですが、大阪や名古屋といった大規模地方都市で地価上昇が見られました。

2016年 エリア別地価公示価格の上昇率
エリア 住宅地 商業地 全用途
全国 ▲0.2 0.9 0.1
東京圏 0.6 2.7 1.1
大阪圏 0.1 2.7 0.8
名古屋圏 0.8 3.3 1.3
地方中枢都市 2.3 5.7 3.2

※地方中枢都市は、札幌、仙台、広島、福岡の平均値です。

これらの地価上昇地域の路線価は、都心部よりも比較的抑えめに設定されているため、高需要エリアの物件を購入すれば、高利回りの不動産運用ができる可能性もあります。

東京は××の2.7倍!? 路線価から見る課税対象額の違い

rosenka7

「路線価」の違いは、固定資産税の支払いにどのような影響を与えるのでしょうか?

今回は、東京の代表的な繁華街の新宿周辺と、2016年にもっとも地価が上昇(45.1%増)した大阪の道頓堀周辺にある200㎡の宅地を比較し、固定資産税の課税対象額を検証してみます。

新宿の宅地200㎡の路線価

rosenka8東京

※奥域価格補正率は1として計算しています。

東京新宿三丁目周辺の路線価は140万円/㎡で、課税対象額は

140万円×1(奥域価格補正率)×200(㎡)=2億8000万円

になります。

上昇率日本一!大阪の宅地200㎡の課税対象額は?

rosenka9

2016年、最も地価が上昇したのは、大阪の道頓堀筋に近い心斎橋筋商店街の一角で、上昇率は45.1%。

大阪の宅地200㎡の路線価

rosenka10大阪

※奥域価格補正率は1として計算しています。

大阪道頓堀の路線価は51万円/㎡で、課税対象額は

51万円×1(奥域価格補正率)×200(㎡)=1億200万円になります。

同じ200㎡の宅地でも、新宿と道頓堀の課税対象額には

2億8000万円(新宿の課税対象額)−1億200万円(道頓堀の課税対象額)

=1億7700万円の差があることがわかります。

格差は年間41万円!路線価による固定資産税額の違い

rosenka11

路線価が、固定資産税の課税対象額に与える影響についてはご理解いただけたことと思いますが、実際の支払額は、どのくらい違いがあるのでしょうか?

ここでは、先ほどご紹介させていただいた、東京・新宿と大阪・道頓堀にある200㎡の宅地を例に、実際の支払額を計算してみます。

新宿の宅地A:
2億8000万円×宅地の軽減特例(200㎡までは6分の1)×固定資産税(1.4%)=65万3380円

道頓堀の宅地B:
1億200万円×宅地の軽減特例(200㎡までは6分の1)×固定資産税(1.4%)=23万8000円

同じ200㎡の宅地でも、毎年の固定資産税の支払額には、41万5380円の差があることがわかります。

都心の物件も魅力的ですが、運用コストを考えると、地方都市の高利回り不動産や、人気エリアの物件の購入も、投資を成功させる一つの選択肢と言えるでしょう。

格差は年間41万円!路線価による固定資産税額の違い

複雑な固定資産税の計算。物件購入後に、「毎年の固定資産税の支払額に驚いた」という経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。

「投資に興味はあるけれど、毎年の運用コストは減らしたい」とお考えでしたら、路線価が低めに設定されている郊外や、地方都市の高利回り物件を利用した不動産投資を検討されてみてはいかがでしょうか。

ライター紹介About the Writer

プレミアムバリューバンク

不動産投資のプロフェッショナルが、投資に関わる市況や知識などを、プロならではの視点からわかりやすくお伝えしていきます。日々変化するトレンドを逃さずチェックしてください。

JP EN CH