COLUMN

0
「第1種低層住居専用地域」にはコンビニがない!?投資家ならば知っておきない不動産の見分け方

国土交通省の発表によると、2016年1〜3月の商業用不動産価格指数は、前年同期比の4.8%アップ。14期連続プラスと安定した伸びを見せている不動産業界の情勢を見極めながら、新規で物件の購入を検討されていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

参考:
http://tochi.mlit.go.jp/wp-content/uploads/2016/06/7f82bd628eab407c2b0b8c7b02ffb8a5.pdf

では実際に物件を探される際、どのような点を重視すればいいのでしょうか。

エリアや立地など、“漠然としたイメージ”だけで物件を決めてしまってはいけません。

投資用の物件選びは、利回りなどの点で居住用物件よりも慎重な見極めが必要になります。

今回は、「不動産投資に関心があるけれど、絶対に失敗したくない」という方のために、不動産投資に役立つ土地の見分け方をご紹介します。

あなたの描いた運用プランを実現する際の参考にされてみてはいかがでしょうか。

「調整区域」のリフォームに注意!都市計画法とは?

teisou2

あなたが土地のオーナーになったからといって、必ずしも思い通りの建物が建てられるとは限りません。

日本全国の土地は、「都市計画法」という法律によって、エリアごとに開発の優先順位や、どのような街づくりをするかが大まかに定められており、この制限を超える不動産は建てることができません。

日本の土地は3種類しかない!?都市計画法の開発区域

都市計画区域内 市街化区域 開発する場所
市街化調整区域 開発を制御する場所
小規模住宅用地 開発の範囲外

まずは、市街地開発を行う「市街化区域」と、開発を行わない「市街化区域外」エリアに分類されます。

さらに「市街化区域」エリアは、積極的に開発を行っていく「市街化区域」と開発を抑制する「市街化調整区域」に分けられています。

teisou4
※市街化調整区域のイメージ

市街化区域は、すでに街に整備され、新たな建築物の建設やリフォームを行いやすい状況にあることが多いですが、もしあなたが購入を検討している土地が「市街化調整区域」内にある場合には注意が必要です、

エリアの開発が制限されており、思うような建て替えやリフォーム工事ができない可能性もあるため、購入前に業者にきちんと相談し、投資プランに見合う物件かどうかを見極めましょう。

全部で12種類!用途地域の見極めが投資のカギ

teisou5

都市計画区域内では、どのような街づくりをする場所なのかを示す「用途地域」が定められます。

大きく分けると住居系、商業系、工業系の3種類、全部で12種類に分けられており、エリアごとに制限が課されています。

主な分類を示したのが下記の表です。用途地域を定めることにより、建築物の種類や高さを揃え、住みよい街づくりを目指しています。

用途地域の分類

系統 地域名 主な内容
住居系 第1種低層住居専用地域 低層住居に係る良好な住居環境を保護するために定める地域
第2種低層住居専用地域 主として低層住居に係る良好な住居環境を保護するために定める地域
第1種中高層住居専用地域 中高層住居に係る良好な住居環境を保護するために定める地域
第2種中高層住居専用地域 主として中高層住居に係る良好な住居環境を保護するために定める地域
第1種住居地域 住居の環境を保護するために定める地域
第2種住居地域 主として住居の環境を保護するために定める地域
準住居地域 道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護する地域
商業系 近隣商業地域 近隣住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする、商業その他の業務の利便を増進するために定める地域
近隣商業地域 主として商業その他の業務の利便を増進するために定める地域
工業系 準工業地域 主として環境の悪化をもたらすおそれのない、工業の利便を増進するために定める地域
工業地域 主として工業の利便を増進するために定める地域
工業専用地域 工業の利便を増進するために定める地域

teisou7
※低層住居地域のイメージです

例えば、高級住宅街などに多く見られる第1種低層住居専用地域は、建物の高さが、10m、もしくは12mまでに制限されています。

住み心地がよく、落ち着いた環境が整っている一方で、コンビニエンスストアなどの店舗の設置も厳しく制限されており、必ずしも生活しやすいとは限らないケースも見受けられます。

その一方で、「低層住居専用地域」は、2〜3階建ての小規模なアパートが主流で、リフォームをする際の費用が抑えられるなどのメリットがあります。

teisou8
※住居地域、準住居地域のイメージ

そして比較的、都心近郊や郊外に設定されていることが多い「住居地域」「準住居地域」は、建築の制限が比較的緩めに設定されており、効率が良い土地利用が可能です。

さまざまな物件が市場に出ているため、エリアの特性や価格、投資目的に見合った物件を探しやすい状況にあります。

物件によっては、都心の一等地にある新築物件よりも高収益が得られる可能性もあるため、もし予算に見合う物件が見つからないという方は、郊外エリアを検討してみるのも選択肢の一つと言えるでしょう。

投資の際に知っておきたい「建築基準法」の制限

teisou9

建築基準法は、敷地や構造、用途などの建築物に関する最低基準を定め、国民の生命の財産を保護するための法律です。

都市計画法の用途地域では、原則として建ぺい率、容積率、高さを定めるものとされているほか、立地やエリアに応じて建築物を建てる際にさまざまな制限が課されています。

ここでは、不動産投資にも影響を与えることが多い代表的な建築制限をご紹介します。

物件の建築面積を決める「建ぺい率」とは?

teisou10

建ぺい率とは、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合のことです。

例えば100㎡の土地に、80㎡の物件が建てられていた場合には80%、もしくは10分の8と表示されます。

エリア別に30%〜80%程度の建ぺい率が設定されているのが一般的ですが、法律設定の目的である火災発生時の延焼防止や、日照確保などが可能な場合には、建ぺい率が緩和されることもあります。

前面道路の幅で決まる!?「容積率」とは

teisou11

容積率とは、建築物の前面道路の混雑を防ぐために設けられた、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合のことです。

例えば100㎡の土地に、床面積80㎡、6階建ての物件が建てられていた場合には、80(㎡)×6階建て÷100(㎡)=480%と表示されます。

容積率は、都市計画や前面道路の広さによって、エリアごとにあらかじめ指定されているので、物件選びの際には、必ず確認するようにしましょう。

利回りに影響を与える!?建築基準法の制限

建築基準法では、これら以外にもエリア別に、さまざまな建築制限が課されています。物件の規模や利回りに大きな影響もある代表的な用途地域をご紹介します。

近隣の日照と通風を保護が目的の「斜線制限」

teisou12
※斜線制限のイメージ

斜線制限とは、日照や通風を確保するために地面から引いた斜線の内側に建物を建てなければいけないという規則のことです。

斜線制限に沿って建てた不動産は、壁面が三角形に尖っているケースが多く見られます。

斜線制限は、道路の日照を確保するための「道路斜線制限」、隣地の日照を確保する「隣地斜線制限」、近隣の南側の日照権を確保するために設けられた「北側斜線制限」の3つがあり、用途地域ごとに適応される制限が定められています。

鉄骨造以外はNG!?防火地域の建築規制

teisou13

建物が密集しているエリアで、火災の延焼を防ぐために指定されるのが、防火地域と準防火地域です。これらのエリアに指定されると、階数や建物に応じて制限が課されます。

防火地域の建築規制

  延べ面積
100㎡以下 100㎡超える
階数(地下を含む) 3階以上 耐火建築物 耐火建築物
2階以上 耐火または準耐火 耐火建築物

準防火地域の建築規制

  延べ面積
500㎡以下 100㎡〜500㎡以下 1500㎡超
階数(地下を含む) 4階以上 耐火建築物 耐火建築物 耐火建築物
3階以上 耐火、準耐火、技術的基準適合建築物 耐火建築物 耐火建築物
2階以上 × 耐火建築物 耐火建築物

防火地域に指定されると、鉄筋コンクリートなどで作られた耐火建築物にしなければならないなどの規制がかかるため、リフォームなどの際に影響を与える恐れがあります。もし、購入を考えている物件が防火地域に指定されている場合には、あなたが考えている運用プランをあらかじめ不動産業者に相談するようにしましょう。

投資の成功は、物件選びで決まる!?

不動産価格の高騰とともに、不動産投資に対する注目が高い状態が続いていますが、あなたはどのような基準で物件を探されていますか?

「新規の投資物件購入を検討しているけれど、結局購入できていない」という方は、今回ご紹介させていただいた見極め方を参考に、物件を探されてみてはいかがでしょうか。

ライター紹介About the Writer

プレミアムバリューバンク

不動産投資のプロフェッショナルが、投資に関わる市況や知識などを、プロならではの視点からわかりやすくお伝えしていきます。日々変化するトレンドを逃さずチェックしてください。

JP EN CH